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2008年10月18日土曜日

ドナウ川の上を歩いて渡るはずが

ヴェリコタルノボで最初に泊まったホステルの主にドナウ川にかかる
橋を歩いて渡り国境を越えられるか聞いてみると、歩いて渡れるとの
答えが返ってきた。主はなぜそんな事をしたがるのか不思議がって
いたが、ここはぜひ歩いて渡ってみたいところ。

普通ならヴェリコタルノボからブカレストまで3時間半程度の道のりを
まずは国境の町であるルセ(Ruse)へ2時間半かけてバスで移動し、
そこから歩いて橋まで歩く事に。とりあえずドナウ川を見たいので、
真っ直ぐ北に歩いていく。途中で地図を見る機会があり、それを見て
今度は橋に近づきながらドナウ川へ向かう道(北東)を進んでいく。
ドナウ川に近づくにつれて、だんだんと寂しい場所になっていき、
今は使われていなさそうな線路に辿り着いた。線路の向こうには
ドナウ川が見える。道は無いがとりあえず線路を渡ってドナウ川へ
出てみた。

ドナウ川は思った以上に幅が狭く、ルーマニアがすぐそこに見える。
ルーマニアサイドもブルガリアサイドも川沿いに工場がたくさんあり、
たぶんその影響で川はあまりきれいではない。こんなもんかなと思い
ながら、川に沿って橋の方へ歩いていくが、途中で川の埋め立て工事
をしている場所にぶち当たる。回り道がなさそうなので、仕方なく
工事現場に入って中を通っていくが、誰も何も言わない。まぁ、何か
事故があれば100%私が悪いので、私に落度があった事で終わるのだろう。
工事現場を過ぎると、今度は何かの施設の内部に入ってしまっている
ようで、柵の向こう側に一般道路が見える。バックパッカーが決して
入るような場所では無いことは確かである。施設の中を一般道沿いに
進んで行くと、出入り口ポイントへ着いた。出入り口を管理している
セキュリティーのおじさんがこちらを見て、何をやっているんだ?
というジェスチャーをするので、迷ってしまってここから出たいんだ
とジェスチャーを返す。おじさんは怒ったりする事なくすんなり
出してくれた。

施設を出た後は何の問題もなく橋へ辿り着いた。バスを降りてから
2時間が経過しており、ずっと歩き通しでさすがにクタクタだったが、
橋を渡るんだと思うと、エネルギーが再びチャージされた。やる気
満々でカスタムに行くと、おじさんが出てきて、「歩いてこれ以上
進むことはできない。」と私に告げる。。。

騙された。。。というか、情報が古かったのか?とにかく歩いては
この橋を渡れない事は確かだ。仕方がないのでバスを使う事に決めて
バス停に向かおうとすると、えらく明るい地元のおじいさんが話し
かけてくる。お金が目当てなのはこれまでの経験からわかるが、
私を乗せてくれるように橋を渡るトラックと交渉してくれるらしい。
余っていた小銭1.5ユーロを渡し、トラックで私は橋を渡る事になった。

橋を渡るとすぐにカスタムチェックだ。トラックで渡ってくる
日本人は珍しいのか、元々そうなのか、他の国境ではあまり聞かれ
なかった質問をいくつかされた。「これからどこへいくのか?」
「どのぐらい滞在するのか?」「入国の目的は?」ベーシックな
質問だが、これまでほとんど聞かれる事はなかった。ただ、
荷物チェックなどは無く、ジロジロと見られただけで、すんなりと
通してくれた。

国境を越えると直にギウギルという町だと思っていたのだが、
近くには何も見えない。町は少し離れた場所らしい。疲れたので
しばらく休憩をして、ヒッチでブカレストへ向かう事にした。
1時間ほどで車が止まる。そして、1時間ほどでブカレストに着き
一番近い地下鉄の駅で降ろしてもらった。お金を要求してきたので、
ここは5ユーロを渡しておいた。けげんな顔をされたのは、金額が
少なかったからなのか、ユーロで渡したからなのか、それとも
お金を要求されたわけではなかったからなのか良くわからない。

地下鉄の駅の名前は「Eroii Revolutiei」で町の中心からは少し
南に位置する駅だ。町の中心へ行くために地下鉄に乗りたいのだが、
ATMが見当たらない。バスのキセル乗車は比較的簡単だが、地下鉄の
キセルはあまりやりたくないので、ひたすらATMを探すが近くには
無いようだ。まだ日は高いので、中心まで歩いて行ってみる事にした。

20分ほど進んだ所で、バスが止まっているターミナルがあったので、
ブカレストの後に行く予定であるブラショフへのバスがあるか
聞いて見る事にした。すると、ここからはアテネとイスタンブール
行きのバスしか出ていないと告げられる。よくターミナルを見ると、
ここは公共のバスターミナルではなく、ルーマニアの旅行会社が
所有するターミナルだった。突然の変な来客にもかかわらず、
旅行会社の人はブラショフ行きのバスが「Gara de Nord」という駅
から出ていると教えてくれた。その後、突然思い出したように、
ここからも17時にブラショフ行きが出るよ教えてくれた。

ブカレストに着いたばかりだったので、本当は2~3日滞在してみたい
ところではあったが、元々興味があるのはチャウシスクの宮殿だけで
あとはホステルで情報を集めて面白そうな所にいってみようと
考えていただけだったので、この際スキップしても良いかなと思い、
ブラショフ行きに乗る事にした。ここで問題なのはお金。ATMが
全然無い。「お金が無いからATMへ行く必要があるのですが、
どこに行けばATMがありますか?」と聞いてみると、お金は必要ない
からそこで待ってればいいよと告げられる。細かい事が確認できるほど
英語は通じていないように思ったので、何度か「お金が無い」と
言ってみたが、お金は要らないとその度に告げられる。その言葉を
信じてルーマニアのお金を持たずにバスに乗り込んだ。

正直、お金を持たないままバスに乗るのは何か問題があった場合に
困るので嫌だったが、最初に言われた通りお金を求められる事無く、
ブラショフに着いた。たぶん、このバスはアテネかイスタンブールへ
ツアーで行ってきたお客さんを、それぞれのホームシティーへ送る
ための物で、そのついでに乗せてくれたのだろうと思う。ともかく、
都合よくブラショフに着いてしまった。

7時半にヴェリコタルノボ出発して、20時にブラショフに到着。
距離以上に遠く感じた移動になった。

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