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2008年8月9日土曜日

野宿(ウィーン)

ウィーンで野宿。ブラティスラバから到着したのが19時半。バスから
降りてみると、やや街から外れた雰囲気。場所を確認すると、どうやら
南駅で降ろされたらしい。ユーロラインのオフィスを運転手に聞いて
みても、英語が微妙なのと、ブラティスラバ出身ぽくて近くにある
受付を指差されただけだった。明らかにユーロラインのオフィスとは
違う。ここはウィーンだし、街の中心に行けばインフォがあるだろうと
歩き出した。通り過ぎるトラムを横目にテクテクと2kmほど歩くと
だんだん騒がしくなってきた。どうやら国立オペラ座付近に出たらしく
このまま直進するとシュテファン寺院みたいだ。途中にインフォが
あるだろうと思い、両脇をチラチラ見ながら探してみるが全然ない。
21時半にシュテファン寺院到着。疲れたので休憩。回りは見せ物
やカフェが大賑わい。多分ここがウィーンで一番観光客の多い通り
なのだろう。インフォはもう閉まっているだろうし、ユーロラインも
どうせもうやってないだろう。本当はこの日のうちに次のバスの
予約をしたかったんだが。YHなどの安宿は今から歩けば2時間は
かかりそうな距離で、とても歩く気になれなかった。

ここはウィーン。治安のとてもいい国。そして、この観光客の
多い通りは賑やかで明かりが多い。おまけにシュテファン寺院の
ライトアップが鮮やかで、眺めもいい。ということで、そこに
野宿してみる事にした。決めたのはいいが、なかなか人が減らない。
24時を回ってやっと石の腰掛台から人が減ってきた。腰を掛けていた
状態から、横に寝そべってみる。寝そべりながらシュテファン寺院を
眺める。結構いい気分。1時に難関がやってきた。それは清掃車。
ものすごい轟音と共に何度も周辺を清掃する。1時半に清掃車は
どこか遠くへ。夜はぐっと気温が下がったので、ジャケットと
ジーパンを出して振る装備に変更。気温は多分14~15度ぐらい
だろう。何度か若者が騒ぐ音を聞いたりして目が覚めたが寝れた。
途中警察の巡回が何度か来ていたが、特に声もかけられなかった。
朝8時、警察にGood Morningと声を掛けられ、「身元チェックか?」
と思い起きたら、そのまま立ち去った。起きてれば良いらしい。
なんだろう、バックパッカーにやさしい国なのだろうか。

少し観光した後、インフォへ行きユーロラインの場所を聞くと、
歩きではえらく遠くの場所だった。仕方なくまたテクテクと
歩いて行き、15時頃にユーロラインオフィスに到着。次の
目的地Krakau、ケルン、ベルリンの開き状況を調べると、
ドイツは全滅。Krakauは委託先のバス会社があり、そっちで
聞いてくれと言われたが、開くのが17時。やっぱりここでも
ユーロラインの連携の悪さを実感する事になった。17時まで待ち
委託先の会社に聞いてみると、この日は一杯。次の日なら
席があると言われ、仕方なくその席を予約する。ここで問題に
なるのは、この日の宿。さすがにシャワーを浴びたかったので、
宿探しへ。ウィーン交通機関24時間載り放題のパスを買って、
安宿を回ってみるが、満室ばかり。そう、この日は金曜日で
魔の週末なのであった。パリと同じくウィーンも相当な観光地
なので、週末は特に混み合うらしい。高い宿に泊まるのは
長期の滞在に影響を及ぼすので、できない。仕方がないので、
この日も野宿を決める。

野宿先を探す前に、せっかくなのでこの時期に市庁舎前で
行われるフィルムフェスティバルを見に行くことにした。
無料のイベントだし混み合うだろうと21時スタートのところを
19時から会場で待つことに。19時は人がぽつぽつ。20時に
近づくと少しずつ人が増えてきたが、雨が少し降ってきた。
こちらの人は少しの雨では動じない。みんな傘やカッパを
着て待機している。しかし、運命の8時15分に大雨がやってくる。
私は大雨対策ばっちりなのでそのまま座っていたが、他の
皆様は一斉に退却してしまった。席に残っている勇者は
座席数1000に対して10といったところ。でも、私一人で
ないところに外国を感じる。大雨の中座っていると、
スクリーン裏にある市庁舎下に人影が見える。カッパも
傘もしていない様子。「ひょっとしてこの雨の中の野宿が
できるかもしれない」と期待感がでてくる。

雨の中フィルムフェスティバルが終わったのは23時半。
早速、市庁舎へ行ってみると、広い屋根と大きなベンチが
待っていました。まさに寝てくれといわんばかり。ベンチは
たくさんあり、辺りをみると既に寝ている人が5~6人いる。
寝袋で寝ている人もいる。「みんなホームレスには見えない
んだけど、なぜここで寝ているんだろう」などと他愛もない
事を思いながら横になった。シュテファン寺院前とは違い
ここは静か。ベンチも木のベンチで幅も広いので、寝心地も
なかなか良い。雨で濡れた靴と靴下を干して、眠りに着いた。
朝は7時に会場を掃除する人の音で目が覚めた。掃除機の
反対で空気を吐き出してゴミを飛ばす機械だ。掃除機と
同じく爆音を轟かせる。雨が降っていたにもかかわらず
乾いた靴下と靴を履いて、2ヵ所目の野宿場所を後にした。

ウィーンで2泊も野宿する事になるとは思わなかった。
次のKrakauでは絶対宿にとまるぞ!

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