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2008年10月24日金曜日

プラン無しのルーマニア東部は散々

コンスタンツァへ着いたのは13時。またもやタクシーの運転手に
囲まれるが、宿へバスで行く方法を事前に調べていたので、ほとんど
相手にせずバス停へ。苦労なくホステルへ到着し、ベルを鳴らすが
反応が無い。そっと覗き込むと人気がない。おかしいなと思いながら
15分ほどベルを鳴らし続ける。。。こんな事は始めてだ。普通、誰か
一人ぐらいいるだろう。

ホステルの前で待つ事1時間、人の気配なく、誰も帰ってこない。
これでは時間の無駄だ、、、仕方ないので20kgの荷物と一緒だが近場を
観光する事にした。

海だと思う方向へ30分ほど歩くと、ほどなく黒海に出た。近いです。
コンスタンツァの海岸線はほぼ岩場で、あまりリゾートには向かなさ
そうだ。だが、眺めは良く、ルーマニアで数少ない黒海に面する場所
なので、これでもかというほどたくさんの新築マンションが建築中だった。
東欧への投資ブームが起きていて、投資が盛んだと何かで読んだのだが、
その一端を見たような気分だ。その他これといった特徴もなく、1時間ほど
日光浴をした後、ファーストフード店で暫く時間を潰すことに。

日記を書くために持ち歩いているノートを開き、こんな時こそ集中して
書いてやろうと思ったら、パスワード設定無しの無線LANが飛び込んで
きた。ネットに繋がってしまうと、集中力は削がれ、ニュースを見たり、
メールチェックしたりと、まったりしてしまう。

ふと、ホステルの事を思い出し、もう一度ネットから記述内容を
チェックしてみると、新たな事実が。「当ホステルは5月から9月まで
営業しています。」と書かれている。お得意のうっかりがまた出て
しまった。どうするか。。。コンスタンツァには他にホステルは無く、
ホテルは高いので当然無理。どうするか悩む。いっそドナウデルタを
見に行くために、トゥルチャへ行くか?しかし、情報がまったく無いので、
この時期に船が出ているかどうかもわからない。ルーマニア語がわからない
ため、インターネットで調べられる範囲が限られてしまう。

状況が悪すぎる。。。

渋々、ルーマニアで何かをする事は諦めて、ブルガリアに向かう事にした。
まずはバスが無いか調べてみるが、最終便は出てしまっている。それでは
電車で行ける、ブルガリアに一番近い場所を聞いてみるとマンガリア
(Mangalia)という場所がヒットした。そこに宿があればよし、無ければ
駅が24時間開いているかもしれない。とりあえず行ってみよう。

コンスタンツァから電車で揺られること1時間、マンガリアの町に着いた。
まずは駅で寝られそうかチェックしてみるが、24時-5時は閉まっている
みたいだ。更に、セキュリティの人に夜の駅は危ないから近づかない
ようにと注意を受ける。では、とりあえずブルガリアへのバスの時間を
調べるためにバスのオフィスを探してみるが公共のものが見当たらない。
バス会社が一軒あったので、そこで聞いてみると、ブルガリア行きの
バスは無いという。何度か聞いてみるものの、「マンガリアからは
ブルガリアへのバスは出ていない、コンスタンツァからなら出ている」
と返答が返ってくるばかりだった。

コンスタンツァへ戻る電車はもう無い。バスはあるかもしれない。でも、
こうなったら意地でもマンガリアからブルガリアのヴァルナへ行ってやる。

そう決意したものの、夜にヒッチは怖いのでできない。一晩明かす必要が
あるが、マンガリアには安宿が無さそうである。町をうろちょろした後、
町の通りにある夜のベンチで腰を下ろしていったん休憩をする。すると、
地元の人であろうと思われる2人組のおっさんが目の前を通り過ぎた後、
そのうちの一人、泥棒顔の太った怪しげなおっさんが引き返してきて
ものすごく片言の英語で私に話しかけてきた。

単純な世間話をした後、

お「俺は古着を扱っているんだ。」
私「へー、そうなんですか。」
お「向こうの通りで明日バザーをやるんだ。」
私「明日ですか。」
お「君が着ている服がオリジナルなら買い取るから持ってきてよ。」
私「いや~、これしか持ってないから売れないのよ。」
お「とりあえず、オリジナルかどうか見させて」

と言って、突然服をチェックし始める。まずは上着から。

お「おっ、オリジナルだね。」
私「はぁ、そうですか。」

次に、ズボンをチェックする。ジーパンの腹回りを裏返しにして
見るのだが、やたら力強く強引に裏返す。そして、ベルトも
チェックすると言って更に力を入れてベルトを上下に引っ張っている。

お「オリジナルか?オリジナルか?オリジナルか?オリジナルか?」

明らかに違和感があったので、ジーパンの右後ろのポケットに入れて
いた財布を確認すると、そこから消えている。

私「お前、俺の財布取っただろう!」

と言うと同時に、おっさんの上着の前ポケットを確認してみるが、
財布らしき手応えは無かった。おっさんにうろたえる素振りは見えない。
逃げる様子も無い。むしろ、チェックしたかったらどうぞという感じだ。
もう一人のおっさんは20メートルぐらい離れた所で待っているし、
そこから動いている様子がなかったので、たぶん関係ないだろう。

お前の体を調べさせろと言えば、こちらが不利になりそうな雰囲気が
あり、ひょっとしたら、盗みに失敗してどこかに落としている可能性が
あると思い、これ以上おっさんを非難する事を止めた。おっさんは
「You are crazy.」と繰り返しながら、もう一人の男と去っていった。
私は、ベンチの周りを何度も調べてみたが、財布は見当たらなかった。

さて、被害額だが、日本円で1200円程度。クレジットカードやバンク
カードなど盗られては困るものは別に管理しているので、旅行には
さほど差し支えは無い。残念なのは、盗られた財布はアルバニアで
泊めてもらった恩人の息子さんにもらった物で、私にとって価値のある
記念品だったこと。

あまりに悔しかったので、何か反撃したい。カメラを隠し持って彼らを
追いかけ、記念に写真を撮ってみた。1枚目は財布を盗んだ男。そして、
2枚目に一緒にいた男を撮ろうとしたら、ポケットからナイフを出して
「Stop」と脅されたため、写真撮影は中止。私は「OK」と言って、
早足に荷物を置いたベンチへ戻っていった。

違和感を持ったままの私は改めて、ベンチの周りを範囲を拡大して
探してみた。すると、ベンチから約7メートルぐらい後ろに財布が
落ちていた。なるほど、投げていたか。お金はそのまま残っていた
ので、ポケットからスった後、すぐに投げたのだろう。まぁ、また
私の元に戻ってきてよかった。

さすがに同じ場所に留まるのは怖かったので、移動中に見つけた24時間
ガソリンスタンドのそばのベンチで座り、そこで夜明けまで待つことに
決めた。寝る事もできず、回りに注意を払いながらじっと我慢。こんな
時の時間はやたら長い。2時頃から一段と寒くなり服だけでは寒さに対応
できなくなってきたので、スクワットなどの軽い運動を繰り返しながら
夜明けを待った。

その後、特に何事もなく夜は明けた。

再びブルガリア行きへのバスを探すと、結局あった。バス停で待って
いる人の中にブルガリア行きのバスを待っている人がいたのだ。
しかし、そのバスの事は全く浸透していないらしく、そこらのバスの
運転手でさえも存在を知らなかったのだ。おかげでどれだけ苦労した
ことか。

バスに乗って15分ほどで国境に着いた。国境まではやはり近かったんだ。
パスポートにスタンプをもらい再びブルガリアの大地を踏む。あぁ、
長くて険しいルーマニアの旅が終わった。

これまでは、行けば何とかなるものだったが、ルーマニア東部では
通用しない。一番の頼りである公共のインフォがまず無いし、安宿も
期間限定でしか開いていない。話しかけてくる人といえば、タクシーの
運転手だけで、そこらを歩いている人には英語があまり通じない。
行ってもなんともならない事もあるのだと身に沁みた場所だった。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お元気でしょうか?
こちらは寒さが増して
長袖でないと風邪をひきそうです。
YRGは相変わらずですが
新しい動きも出てきました。
その話しはまた帰国の時に、
ゆっくり聞いてください。
寸胴くんは毎日フル活用ではたらいてくれ
ています。ホントに感謝しております。
だいぶん味がでてきました。笑

この壮大な旅行記サイトを
楽しく読まして貰ってます。
が、ホントにスリや盗人、うそつき等
日本に比べて数倍も多いですね。

気をつけて旅を続けてください。
心から無事を祈っておきます。

また帰ってきたときは
飲みながら、話しを聞かせてください。

ジュン さんのコメント...

こちらはお元気です。
そちらは肩の具合どうでしょうか?

寸同くんがそれほど活躍してくれるとは
思ってもいなかった。僕が持っていても
宝の持ち腐れだったので、丁度良かったね。

新しい動き。。。気になるなぁ(笑
ゆっくり聞かせてもらうよ