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2008年10月11日土曜日

7ユーロ足りない

朝5時、夜行バスはベオグラードに着き、旅の途中にある人に
教えてもらったビール飲み放題のホステル、グリーンスタジオ
ホステルへ向かったのだが、、、予約で一杯だった。
セルビアVSリトアニアの国際フットボールマッチがこの日開催
されるらしく、ヨーロッパ中からリトアニア人がベオグラードへ
押し寄せており、どの宿も満室状態なのだそうだ。

ふみゅ。こういう場合は~、連続夜行だ!

そんなわけで、21:10発の夜行列車でソフィアに行くことになった。
グリーンスタジオホステルのオーナーが荷物を預かってくれたので、
朝昼思いっきり観光して、夕方からホステルでゆっくりして、
それから電車へ乗り込んだ。ちなみに、観光中は下痢のせいで
相当大変でした(笑

20:30に駅に着くと電車は既に乗車可能だったので、乗り込んで
窓から頭を出して外を見ていた。以前、ブダペストで滞在中に
ベオグラード発、ウィーン行の列車で寝てる間にカバンを引き
裂かれて盗難に遭ったという人に出会っていたので、人を一人一人
注意深く観察していた。いかにも怪しい、泥棒顔のおじさんや
大きなカバンを持った何しているか良くわからないおばちゃんや
バックパッカーの2人組など、疑えば色々いるのだが、泥棒を
生業としている人たちはどのような格好をしているのだろうか?

出発が近づいても乗客はあまり増えず、ヨーロッパでよく見かける
6人がけの部屋を1人で占有していた。そこへ、35歳ぐらいの白人
が私を見て入ってきて、私に「Do you speak English?」と尋ねて
きた。「Yes」と答える私。そして「ああ、よかった、やっと
英語を話せる人に出会えた。」と言って自己紹介してきた。
てっきり、英語の話せる相部屋の人を求めてたのかと思い、私も
自己紹介すると、何か事情がありそうだ。

彼「実はこれからソフィアのお父さんの所へ行くところなのだがお金が7ユーロ足りないんです。」
彼「ソフィアに着いたら返すので、足りない分を貸してくれませんか?」

正に、昨日の私状態、と思う私。貸してあげたいが、手持ちは
5ユーロしか持っていない。

私「いいけど、5ユーロしかないんだ。」
彼「よかった、では2ユーロ分他を当たってみます。」

出て行って、3分ぐらいで帰ってくる。

彼「ダメでした。」
私「いくら持ってるの?」
彼「1200ディナールです。」
私「それだったら、あと5ユーロで足りるじゃないか。」
彼「え?足りないですよ。チケットは2100ディナールですよね?」
私「いや、1600ディナールだよ。」
彼「ええ!」

ならばと、チケット売り場へ行くことに。私は当然のように
自分の荷物を抱えて部屋を出ようとすると、彼は驚いたように

彼「え!いえ、そんな。僕一人で行ってきますよ。」
私「いや、私も行くよ。」

彼は驚いているが、もう時間も無いので急いで部屋を出て狭い
通路を抜けていく。彼は列車の出入り口付近で立ち止まり

彼「ああ、あまり時間がない」
私「大丈夫、私は荷物が一緒でもあなたと同じぐらい速く走れるから。」
彼「いや、どうしてもこの列車に乗る必要があるので、リスクは背負いたくないんです。」
彼「車掌からチケットを買うことにします。」
私「本当にいいの?」
彼「はい。」
私「じゃ、何か必要だったら私を呼んでね。」

そう言って、私は列車を降りる事無く元の部屋へ戻っていった。
そして、まもなく列車は出発。ここでふと疑問が出てきた。
ひょっとして詐欺だったんじゃないだろうか?よく考えると
不自然な事が多い。だいたい、そんなに乗ることが大事なら
お金持っているだろう。私の時はATMが使えないという大きな
ハンデがあったわけで、今回はそんな状況ではないし。

まぁ、お金取られたわけでもないのでいいかな、と思いながら
眠りに入った。翌朝、泥棒顔のおじさんが親切にソフィアに
着いたよと、私の部屋を通り過ぎる際に教えてくれた。私は
降りてから一応、彼を探してみたが、どこにも姿は見当たら
なかった。

さて、彼はどうなったのでしょうか?

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