の兄ちゃんに40クーナ(850円程度)で、1時間置きに1本、夜の12時まで
プリモシュトンからバスが出ている事を聞いていたので、切羽詰って
ヒッチをする事もない。気が楽だ。ただ、せっかく始めたヒッチハイク
なので日が落ちるまで、後1時間少々試してみたいと思う。
ザダルの時と比べ交通量が少ない。3分に1度ぐらい車が通り過ぎていく。
夕暮れ時だし、田舎町なのでそんなものか。ヒッチをしながら、今晩の
宿の事を考えていた。このままスプリットに着いても、もうインフォ
は開いていないだろうし、ヒッチなのでSOBE(部屋貸し)の客引きも
当てにはできない。宿は100クーナ(2000円程度)以内に抑えたいところだが、
このまま行っても選べないだろうから適当に入るしかない。
そんな事を考えながら、ヒッチをしていると車が止まった。時間にして
40分程度。意外に早かった。今度止まってくれたのは真面目そうな
20才台後半と思われる青年だ。荷物を詰め込み出発進行。
青年の名前はマリュオ。英語に長けているが、癖が相当強い。出身は
リトアニアで今はブルガリア在住らしい。リトアニア語、英語の他に
ロシア語とブルガリア語を話せる。クロアチアへは仕事と休暇を兼ねて
来ていて、この日はリエカから海岸沿いをドライブしてきたそうだ。
この日のマリュオの目的地もスプリットなので、しばらく一緒に行動
する事になった。
トロギールという町が途中にあり寄ってみたかったが、既に日が
落ちてしまっていたので諦めた。どこにも寄らず進み、スプリットに
到着したのは20時過ぎ。とりあえず車を止めて、2人で中心街と
思われる場所へ行ってみると、美しくライトアップされた旧市街地に
出た。マリュオも私もカメラを取り出し、夜の町並みを取りまくった。
宿を探し始めたのは24時を過ぎてから。それでも不思議なもので
宿(SOBE)は見つかり2人で250クーナ(約5200円)だった。
次の日もマリュオと一緒に過ごし、彼から面白いオファーを受けた。
彼の仕事はブルガリアでの不動産業で、他にツーリズムや特産品の
扱いを行っている。扱っている不動産は黒海側の海岸沿いにある
田舎町の土地で、今なら1㎡が4~5ユーロで買えるとか。この地方の
特産品は蜂蜜入りのワインで、彼曰く、これがすばらしい味らしい。
マリュオは私に日本でのエージェントになってみないかと言った。
要するにブルガリアの土地や特産品を日本で売るトレーダーに
ならないかという事だ。流れに乗ってやってみるのも面白いかと
思ったが、今の自分には事業を始める資本が無いので、残念ながら
断った。でも、将来的にはやってみる価値はあると思うので、
住所を交換して、連絡を取り合う事になった。
私は当ての無い旅を続けているので、この機会にブルガリアを
訪れてみるのも良いかもしれない。マリュオの住んでいる場所に
行けば泊めてくれるそうだし、土地やワインを見ておくのも
良いかもしれない。
ヒッチハイクは単に一つの場所から次の場所へ移動する手段と
考えていたが、思いがけない出会いがあるものだ。初っ端から
こんなに面白い人たちに出会えてしまうと、癖になりそうだ。
送信者 around_split |
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