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2008年8月24日日曜日

タリンでいろいろありました

リガ23:45発、タリン4:45着のバスに乗り、タリンに着いたのは4:00。
バス会社は単純に距離で時間を出しているらしいので、夜行バスはだいたい
早く到着する。

バスを降りると、そこは誰もいない寂しいバスターミナル。ユーロラインの
オフィスは幸いターミナルにあるようなので、次のバスの予約のためオフィスが
開く6:30まで待つ事になった。

ベンチに座ろうとターミナルを歩いていると、同じバスから降りてきたらしい
バックパッカーの女性が一人ベンチに座っていた。同じユーロラインパス保持者
かなと思い、話しかけてみた。

彼女はメキシコ出身でフランス在住の学生さんだそう。英語が堪能でネイティブ
と変わらない。1ヶ月ほどの一人旅でぐるっと中欧、北欧を回っているそうだ。
ターミナルは朝4時でまだ暗かったので、念のため朝が来るのを待っていた。
丁度よかったので、同じベンチに座り、夜明けまでしばらく一緒に話して時間を
潰していた。最近、こういった機会では会話が弾むようになり、なんとなく
会話を通じて信頼関係が築けているような気がする。ほんの2時間ぐらいの
出会いだったけれど、メールアドレスを教えてくれ、いつかまた会えそうな
雰囲気を感じた。

朝6:30、ユーロラインズの次のバスの予約をしに行くと、タリンから乗れる
バスはドイツ行きの便だけ。一応ネットで調べて知っていたが、ネットの
情報はあてにならない事が多々あるので、常にオフィスで確認するのだが、
情報は正しかった。そして、悪いことにバスが満席でタリンに4日間も
滞在する事になってしまった。まぁ、ヘルシンキも近いし、オプションは
色々考えられる。物価もきっと安いだろうし。

タリンのバスターミナルにツーリストインフォは無かったが、旅行者向けの
PC端末が置いてあり、宿情報を見たり、予約したりする事ができる。
とりあえず4件ほどホステルの情報を写し、オールドタウンと言われる
旧市街地へ向かった。タリンは町が小さいからだと思うが、ほとんどの
ホステルはこの旧市街地の中にある。プラハとかでは考えられない事だ。

旧市街地に点々としているホステルを回ると、控えていた4件は全て満室。
もう夏も終わりのこの時期に満室になるとは思っておらず、驚いたが
理由はすぐに納得できた。土曜日である。タリンにはヘルシンキから
1時間半~2時間半、ストックホルムから17時間ほどで来ることができる。
それに豪華客船が入港しているのも関係しているらしい。当然、
「タリンでは宿が足りん」なんてくだらない事を言ってる余裕も無く、
テント無しの野宿では夜は10度まで下がる気温に耐えられるはずも
ないので、諦めずに宿を探す。

朝8:00、あるホステルで今自分が置かれている状況を説明すると、
うれしい事に宿探しを手伝ってくれた。彼女が知っている近くの
いくつかのホステルに電話を入れてくれ、空きが無いかを確認して
くれた。そして、結局空きは無かったのだが、引き続き私が探せる
ように、ホステルのインターネット設備を無料で使わせてくれた。

朝10:00までネットで探し続けたが、空いているホステルは無かった。
次の頼みの綱はツーリストインフォ。週末は10:00に開くので
ホステルの受付の子にお礼を言ってインフォにすぐに向かった。
これだけホステルに空きが無いと、まだ空きがある場所は早い者勝ち
になる。朝10:00でまったく空きが見当たらないので、午後まで
もたもたしていると、まず泊まるところは無くなるだろう。

ツーリストインフォでは宿泊場所の案内はしていなかったが、
宿泊案内をしてくれる機関を2つ教えてくれた。1つは国の運営、
もう1つは民間の運営。まずは、民間で運営している方が目の前に
あったので、そちらに行ってみた。

民営だけあってフレンドリーでイージーゴーイングな雰囲気。
先客があったが、お構いなくこちらの用件を伝えられた。
「空いているホステルが見つかりません。どこかありませんか?」
すると、先客だったオランダ人が少し驚いたように、「そんなに空きが
無いの?」と聞いてきたので、それまでの経緯を話してあげた。
このオランダ人はヘルシンキに在住で、ふらっとタリンに1泊の予定で
遊びに来ているとの事だった。

案内所では、何箇所か宿泊場所に電話をしてくれたが、結局見つからず、
諦めて国営へ行ってみようかと考え始めた頃にスタッフからある提案を
受けた。

「2人でツインはどう?」

ちょっと予想していなかったのと、オランダ人の反応がイマイチだった
のもあり、どうしようかと迷っていると、スタッフはお構いなく
ツインで探し始めた。そして、あるホステルでツインが空いていたので、
とりあえず部屋と値段を見に行く事にした。エストニア人の積極性には
驚くばかりだ。

案内所から紹介してもらったホステルまでは多少距離があり、この
オランダ人と話しながら向かっていると、驚いた事に彼はIT関係の
仕事をしていて、コンサルタントだと言っていた。「エスエーピー
って知ってる?そこで働いているんだ。」と聞かれたが、「ASPなら
知ってるがSAPは聞いたことが無いよ」と答えた。後でネットで
調べて、私の返答がとても馬鹿な物だったと判明してしまう。(笑

ホステルに着いた頃には2人とも打ち解けており、値段も1人250クローン
だったのでここに宿泊する事にした。こちらの人は合理的であれば、
大抵なんでも気にしない事が多いが、知らない男同士でツインというのは
こちらの人にとってもやはり違和感があるらしい。なので、今回の
ケースは本当に稀だと思う。

お互いIT関係だったり、彼は仕事でタイに住んでいた事があって
アジアに多少興味があったりで意気投合し、その後は観光も食事も
ずっと一緒に行っていた。性格はおとなしくまじめで、多少の
ユーモアがあり、なんとなく私と似た感じだったと思う。

会話の話題は色々な事に及ぶ。旅の事についてから、日本やオランダが
抱える社会問題、コスプレ(笑、小野についてなどなど(彼は
ロッテルダム出身)。そして、夕食の後ビールに誘ってくれ、
お酒が入ると、最初は意識的に面白い話をしようとしているのに、
いつの間にか仕事の関連について話題が向いていて、
日本も外国も一番の関心事は自分の仕事なんだなぁと
感じる一面だった。

結局、出会ってから次の日にヘルシンキ行きのフェリーターミナル
へ見送るまで、ほとんどの時間を一緒に過ごし、そしてほとんど
喋っていた。

見送った後、ベルギーの人達と別れた時のような、ちょっと
だるくなるというか、何もする気になれない、そんな感じに
なっていて、そんな自分に改めて驚いてしまった。

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